認知症は、その状態になった人もその人を介護する人もショックを受けますし、症状が重度であれば様々なことが起こります。
私の祖母は重度の認知症で、当時私は祖母に恐怖を感じていましたし、みんなあまり良い接し方をしていませんでした。
今思うと、その時私は小学校高学年だったのだからもっと認知症について知る努力をすべきでした。
こればかりは、祖母亡き今どんなに悔いても祖母には何もしてあげられません。
恐らく、当時祖母や両親が抱えていたストレスは相当なものだったと思います。
今回は、認知症を患った人(以下、認知症患者さん)を介護する家族が、大きなストレスを抱えないための対応方法を見ていきましょう。
1にも2にも「認知症患者さんと認知症を知る」
環境や度合いにもよりますが、時間は止まりませんから介護が始まると家族は常に動き回る状態になることも少なくないでしょう。
それでも、以下の2つのことは時間を作り優先して行うことをオススメします!
◆「認知症」について調べる
◆「認知症患者さん」について知る
この2つの情報をどれだけ集め理解するかで、毎日の介護の質が変わり、家族が無駄に大きなストレスを抱える状況を回避することができるでしょう。
認知症について調べると、認知症患者さんが行う行動の「理由」が見えてきます。
この「理由」を知ると知らないでは認知症患者さんとの向き合い方に大きな差が生まれます。
そして、その差が「疲れ」「ストレス」の差に出ると言っても過言ではないでしょう。
「認知症」について知る
それでは、認知症にどのような症状が出るのかいくつか見てみましょう。
◆記憶を思い出すことができない
◆繰り返し何度も同じ話をする
◆怒りやすい・大声や奇声を上げる
◆妄想や思い込みが激しい
◆作話(作り話)をする
◆徘徊する
◆家にいても帰りたいという
◆異物を食べたり不潔行為をする
例えば、「記憶を思い出すことができない」症状があるとします。
家族からすると、「ついさっきのことなのに何で憶えていないの?」と思うことありますよね。
でも、認知症患者さんにとっては憶えていないのではなく「記憶に残らない=なかったのと同じ」状態なのです。
それを「なんで憶えていないの?」と問い詰めても混乱させるだけだということが想像できますね。
憶えていなければ、何度も説明してあげましょう!
例えば、家にいるのに「(家に)帰りたい」という症状があるとします。
これは「自分のいる場所が分からない」状態なので、それを「いま家にいるじゃない」と言っても混乱させるだけなのです。
一度は一緒に外に出て、少しお散歩をするのも方法です。
このように、それぞれの「症状」には「理由」があります。
それぞれの症状と理由に合わせた様々な対処法がありますから、いろいろと調べて引き出しを多く持っておくと大変助かります!
「認知症患者さん」について知る
認知症の症状は様々ですが、当然のことながら認知症患者さんの性格も様々です。
認知症の症状だけみて対応するのではなく、認知症患者さんの性格も考慮して対応することが、介護する家族に無駄に大きなストレスを与えないことになります。
例えば、自分のことは自分でやりたい性格の人の中には、介護してもらうことに抵抗を持つ人もいます。
その場合は、時間がかかるかもしれませんが、認知症患者さんが自分でできるようにサポートすることで介護がスムースにいくこともあるのです。
また、たとえ認知症になったとしても「人格」と「感情」は残ります。
物事の事実関係などは忘れてしまうとしても、その時に感じた感情は長く残るのです。
よく「どうせ忘れてしまうのだから何を言ってもいい」と考え、酷い言葉をかける人もいますが、その時に感じた嫌な感情は残ります。
もし酷い言葉をかけた人が介護する人であるならば、その後の介護がスムースにいかなくなることは想像がつきますね。
認知症になるとまるで別人のようになる場合もありますが、認知症患者さんの人格と感情を大事に介護することが重要なのです!
介護は焦らず穏やかに
認知症患者さんを介護する場合、介護する家族の思い通りにいかずイライラしてしまったり、理解できない行動をする認知症患者さんに対して苦心したり、24時間目を離せず拘束され続けることがあったりして、それらによって少しずつ少しずつストレスが大きくなっていきます。
また、介護ストレスは認知症患者さんからだけ受けるとは限りません。
私の母は認知症ではありませんが転移性脳腫瘍で認識機能障害があり、視界を鮮明ではないため一人にできない状態なので常に誰か付き添っている必要があります。
主に私が付き添っていて母と私はうまくやっていますが、時に違う人が思いやりのない言動をすると、それが私の大きなストレスとなります。(これは大変危険なストレスです)
介護ストレスという言葉だけを見ると、認知症患者さんから受けるストレスをイメージしがちですが、そうとは限らないのです。
介護を通して受ける疲れやストレスが大きくなると介護する家族に余裕がなくなり、それが介護してもらう認知症患者さんにも伝わり、うまくいくものもうまくいかなくなっていきます。
そして、さらにストレスが多くなるのです。(負のループですね)
そうならないためには「焦らず穏やかに接する」ことです。
うまく介護したい!と意気込みすぎると、うまくいかないことにストレスを感じでしまいます。
「もーーーーー!!!!!」と叫びたくなったら、いま生きていることに満足してみてください。
「生きていてよかった」と思うのです。
それだけで、目の前に広がる惨状を客観的に冷静に見ることができます。
先述したように、私は周囲の人によるストレスが時々あり、投げ出したくなることが多々ありますが、そういう時は落ち着くまで「生きていてよかった」と心で唱えます。
すると、気持ちが落ち着き再び穏やかな気持ちで母のサポートをすることができるのです!
介護するときに意識すること
介護するときに意識することは多々ありますが、個人的に意識するといいと思うものをいくつか挙げます。
◆安心して「落ち着ける場所作り」をする
◆認知症患者さんがする「行為に悪気はない」ことを理解する
◆認知症患者さん「本人が一番不安」であることを理解する
◆できることは本人にしてもらい介護者がゆとりある生活をする
◆否定せず気持ちに寄り添い穏やかに
◆怒らず・頑張らず・説得せず
◆無責任な批判に惑わされない
◆一人で悩まずどんどん相談
この他にも安全面で事前にしておくべきことがありますが、今回は省きます。
「なぜ相手にばかり気を配らなければならないの?」と思う方もいると思います。
その気持ち、よく分かります。
けれどこれらは、認知症患者さんを気をつけていながら、介護する家族のためにもなっているのです。
たとえば「安心して落ち着ける場所作り」は、認知症になると出てくる症状や問題行動を和らげることもあります。
家族は、認知症患者さん本人が穏やかに生活できることを望みますので、嬉しい副作用ですよね!
全ては、認知症患者さんと家族のためになるのです!
まとめ
疲れたと無駄に大きなストレスを受ける前に、家族は「認知症と認知症患者さんをよく知り、焦らず穏やかに対応し、一人で悩まずどんどん相談する」ことを常に意識し、円満に介護が進むようにするといいでしょう!
叫びたくなったら「生きていてよかった」ですよ!(笑)
焦らず、焦らず、一緒にコツコツ進みましょう!
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